中耳炎について
子供によくみられる耳鼻咽喉科の病気で多いのが中耳炎です。大人に比べて抵抗力が弱い3歳までによくみられますが、成長とともに罹りにくくなります。
中耳炎の種類
急性中耳炎
原因
感冒、膿性の鼻水、鼻すすり
症状
耳が痛い、耳だれ、発熱、赤ちゃんでは機嫌が悪い、など
滲出性中耳炎
原因
急性中耳炎が完治していない、急な気圧の変化(飛行機など)
症状
難聴(言葉や学習が遅れる)、耳が詰まる感じ、赤ちゃんでは耳をさわる
中耳炎の治療
中耳炎には以下のような治療法があります。
- 抗生物質の内服
- 鼻の治療
- 耳管に空気を通す
- 鼓膜切開
鼓膜切開について
特に2歳以下のお子さんは、薬剤が効きにくい年齢で抵抗力が弱く感染症に罹りやすい傾向にあります。保育園でも抗生剤が効きにくい菌が蔓延していると報告されております。そのような状況をふまえ、
- 小さなお子さんで中耳炎を繰り返す場合
- 中耳炎で鼓膜が腫れて発熱を伴なう場合
- 両側の滲出性中耳炎で難聴を伴なう場合
以上の場合は鼓膜切開により排膿をおすすめする場合があります。
それにより抗生剤処方も必要最小限の使用で早期の治療が期待できますし、お子さんの難聴の期間も短くなります。鼓膜は再生されるのでご安心ください。
めまいについて
耳鼻科では体のバランスをとる内耳の異常で起きるめまいを治療します。ただし顔や手足がしびれる、言葉がうまくしゃべれないなどの症状もある場合は、まず脳神経外科を受診しましょう。
耳の不調で起こるめまいの特徴
回転性のグルグル回るめまいや、それに続く船酔いのようなめまい、吐き気
代表的な病気
- 良性発作性頭位めまい
- メニエール病
良性発作性頭位めまい
耳の異常で起きるめまいでとても多い病気です。ご高齢の方のめまいの75%を占めると言われています。頭を動かすと強い回転性のめまいが起きますが、普通は2分以内におさまることが多いです。
原因
耳の奥にあり、重力の方向を感じる耳石という細かい石が剝がれて、体のバランスをとる器官である三半規管の中へ入り込んでしまうと、頭を動かすことでめまいがおこります。
治療
- めまい、吐き気を緩和する薬剤の内服
- 頭位変換法により耳石を三半規管から出す
- 枕を少し高くして眠る
- 運動療法
メニエール病
回転性のめまいと難聴を繰り返す病気です。ただし、めまいだけを繰り返すタイプ、低い音の難聴を繰り返すタイプなどもあります。
原因
過労、ストレス、睡眠不足、気圧の変化
治療
- 薬物療法
- 過労、睡眠不足を避けるなど生活の改善
- 定期的な有酸素運動
- 難治性の場合は手術療法